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日本国

「・・・日本ってさ、にっぽんとにほん、どっちが正式な読みなんだろうな」
「元はにっぽんらしいけど、今ではにほんと読む方が圧倒的に多いわね」
「へ、へぇ! よく知ってるね!」
「正式な読み方は定めていないらしいわ」
「そっか! そうなんだぁ!」
「正式にしたいなら、日本国、みたいに国をつければいいんじゃないかしら」
「あはは、そっかそっか! さすがだなあ!」
「えぇ、私はいろんなことを知っているのよ」
「そっ! そういえばさぁ! 日本の人口って何だかんだ言って多いらしいな!」
「ええ。一億は越すわね。世界でも第10位よ」
「へっ、へぇ! へぇへぇへぇ・・・」
「へぇ、でごまかすのは芸がなさすぎるわダーリン」
「・・・・・・こ、こないだうちの妹がさぁ、帰ってきたらすごい機嫌悪くて」
「えぇ。学校で気に食わない先輩に会ったらしいわね。どうやら不覚にも本性がバレたらしくて、今に見てろ、後で吠え面かくなよって息巻いてたわ」
「・・・・・・・・・なんでそんな詳しいの」
「仲がいいの。知らなかった?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どっちも腹黒だから(ボソッ)」
「何か言った?」
「何も言ってません!」
「ええ、そうよね。で? もう言うことはないのかしら」
「いっ、いやぁ! あのそういえば・・・!」
「浮気したそうね?」
「してませんんんんんん!!!!!!!!!」
「その妹さんからの情報なんだけど」
「してないっ!!! 誤解だって!!!」
「じゃあ一昨日の夜は何に外に出たのかしら?」
「・・・・・・・・・こ、公園に・・・」
「行ったのよね? そしていきなり1人で夜の公園で徘徊するほどボケていないわよね?」
「・・・・・・・・・・・・・よ、呼び出されて」
「えぇ、そうでしょうね。そうでなければ夜の公園に行ったりするはずがないわ」
「だ、だよね! は、はは・・・」
「誰に」
「・・・・・・」
「誰に、呼び出されたのかしら?」
「え、えぇっとぉ・・・」
「口ごもるということは、やましいと判断するわよ」
「いっ、いやっ、ま、まぁ・・・、こ、後輩に・・・・・・・・」
「コウハイ。女性ね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハイ」
「まぁ。正確に言うと、あなたに好意を持つ後輩からその想いを告白されていたのでしょう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本当に、何でも知ってマスネ」
「更に言うなら、あなた、悪い気はしなかったでしょ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「可愛いものね、あの子」
「・・・・・・・・・・・まるで見てきたかのようだな」
「私の情報収集能力をなめないでちょうだい。その子から直接宣告されたわ」
「それお前の能力関係ないだろ!」
「えぇ、そうね。更になんて言われたか、教えてあげましょうか? 『あなたみたいなサイボーグにわたしは負けません』ですって。健気ね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・でも、断ったぜ? 俺」
「・・・・・・・・・・・あたりまえよ・・・!」
「うっ・・・・・・」
「バカじゃないの、私はあんたの何だと思ってるのよ、当たり前でしょ・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、わかった。わかったから。悔しい思いさせてごめん」
「本当にバカね・・・! 悔しくなんか・・・!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あのさ。そうやって涙目の上目遣いすんの、反則・・・」
「うるさいっ! ばかっ! わ、わざとじゃないわよ・・・!」
「・・・・・・お前、本当」


俺にだけそういう面見せるの、ズルイ。



207β挑戦50題「20 日本国」
・・・む、難しくてほとんどお題達成できませんでした、すいませんっ!
お題8のペットフードと同じ人物を目指したつもりが・・・、ズレたかな・・・?
ちなみに彼の妹さんは1周年記念のお題04の猫かぶり少女をイメージしました。

ストレート

皆様、あけましておめでとうございます。
管理人、昨夜帰宅しました〜。
鈍行列車の中、降りる駅を寝過ごす直前で起きる技を獲得しました。

リハビリ〜。


207β 挑戦50題「19 ストレート」




「私、あなたが嫌いです」

わぁ。いっそすがすがしい程の笑顔で彼女はそう言い切った。

「そっか。俺は、君が大好きです」

彼女の笑顔が一瞬凍りついた。
おお、怒ってる怒ってる。
笑顔なのは変わらないが、彼女を世界一愛してると自負する彼は、彼女の怒気をひしひしと感じた。

「私はあなたが、大嫌いです」
「俺は君が、大好きです」

間髪入れず言い返した俺に、彼女ははぁと深いため息を吐いた。
ついに笑顔の仮面が取れる。

「気が合いませんね」
「いや、逆にものすごく気が合ってると思・・・」
「合・い・ま・せ・ん・ね」

俺の言葉が終わらないうちに彼女は殊更強調して言った。

「・・・例えそうだとしても、俺はこの世で一番あなたが好きです。愛してる」

彼女はあきれ果て、カワイソウなものでも見るように俺を見た。

「私、あなたに好かれるようなこと、しました?」
「したした」
「いつだって一線引いていましたし、あなたが好意を見せるようになってからは、悪意しか見せてないんですが」
「うん、そういう潔いとこ、いいよね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ぽつりと、彼女は何かをつぶやいた。
処置なし、とかそんな風に聞こえた。

「もしかして伝わっていないのかと思い、こうストレートに告げたのですけど」
「伝わってたよ。でもそれは俺を諦めさせるための悪意でしょ」
「・・・・・・・・・」
「本当に顔を見るのもイヤ、俺のやることなすこと全てムカつく、とかの段階までいったら考えるけど」
「顔を見るものイヤです。あなたのやることなすこと全てがムカつきます」
「嘘だね」

彼女は押し黙った。
実は相当腹黒い彼女がぐぅの音も出ない、なんて楽しすぎる。

「・・・今、いっそうあなたが嫌いになりました」
「そう。でも俺は諦めないから、覚悟しといてね」

彼女は素の声で苦虫を噛み潰したように、最悪、とつぶやいた。
俺は彼女のそんな様子がたまらなくおかしくて、ひとしきり笑った。

18、青天井

※ 書いてる途中でパソコンが砂で埋まるんじゃないかと思ったくらいの甘さです。ひえー!

207β様より挑戦50題「18 青天井」






ああ、なんで僕は。
こんなにもキミがいとしいんだろう。



「・・・そんなに見ないで下さい・・・」
「どうして?」
「・・・・・・は、恥ずかしいです・・・」
「照れるキミが可愛いから、見てるんだよ」
「・・・・・・・・・いじわるです・・・」

そう言うとキミは体を縮こまらせて、俯いた。
・・・顔を赤くして目をうるませるキミは心臓が壊れそうなほど可愛いんだけど。
まあ、それももう限界かな。
あんまりいじめすぎると、今度は近づくたびに逃げ始めるから苦労するんだ。

「じゃあ、顔が見えないようにしよう」
「え・・・?」

彼女の頭と背中を支え、素早く抱き寄せた。
ふわり、と清楚な香りと、やわらかい感触が僕を苛む。

「えっ、えぇ!」
「あったかいなぁ・・・」
「・・・は、放して下さい・・・・・・」
「どうして。イヤなの?」
「・・・・・・・・・い、イヤでは、ないですけど・・・」
「じゃあいいじゃない」

恥ずかしがり屋のキミの言うことをいちいち聞いてたら、僕は我慢のしすぎで発狂しちゃうよ。
これでも我慢しているんだから、このくらいの我侭は聞いてもらわないと、こっちの身がもたない。

ずっとそうやって抱きしめていたら、彼女の強張った体から力が抜け、だんだんと僕に体を預けてくるようになった。

・・・・・・ダメだ・・・。
・・・・・・・・・本当に、可愛すぎる。

「・・・私・・・、いつまでも一緒にいたい・・・」

もちろん、僕だってそう思う。
だけど、今は、嬉しさといとおしさでどうにかなってしまいそうだ。
まあ、ここまで1人に入れ込んでいる時点で、どうにかなってるのかもしれないけど。

「・・・・・・キミは、本当に限界がない」
「? どういうことですか?」
「・・・ヒミツ」

あどけない顔で聞き返してくる。
でも、一応僕にだって恥ずかしいと思うことはあるんだよ。

「本当、可愛くて困る・・・」

可愛くて、可愛くて。

・・・愛情や恋情に際限ってもんはないんじゃないかと思うくらい、

僕は毎日キミを好きになる。

多勢に無勢

・・・全くなんだ、この状況は。
俺は今が幸せ絶頂の新婚じゃないのか。

「泰介! お醤油切れてたの忘れてたわ。買ってきてー」
「じゃあお米も買ってきてもらいましょーよ。後ちょっとでしょ」
「あら、じゃあ、お漬物に使いたいからお塩も多めに買ってきてくれる?」
「あ! あたしの雑誌も!」

・・・上から母、姉、祖母、妹、と続く。
祖父と父も早死だというのに、なぜかうちの女性陣だけは元気満々だ。
そして俺は、28年間、ずっとこの環境で育ってきた。

「・・・どんどん重くなってやいませんか?」
「「「「男でしょ」」」」

我が家ではこの一言で全てが俺に押し付けられる。
すばらしい呪文だ。

結婚が決まってやっとこの環境から抜け出せるかと思いきや、「女ばかりにするつもり?」とずるずると同居が決まってしまった。
広さだけはあるこの家が恨めしい。

こんな環境では、嫁はさぞかしいじめられるかもしれない。
嫁の後押しを得て同居に反対しようかとも思ったのだが。

「ね、リカコさんも買ってきてほしいわよね?」
「・・・・・・え・・・、えーと」
「大丈夫よぉ! うちの子はいっつもこんなことしてるんだから! ・・・力、強いの知ってるでしょ?」

嫁のリカコはそれを聞いたとたん、ちょっと赤くなってうつむいて、小さな声で「はい・・・」と言った。
ちっくしょ、可愛いな!!!

「リカコちゃん可愛いー!」
「リカコいいわー。一家に一人はいるべきよね!」

嫁は、とてもとても気に入られ、とてもとても大事にされている。
そしてなんだかんだと言ううちに、俺はいつも女家族の言うことを聞くはめになるのだ・・・。

「ホント! 泰介なんかにもったいないー!」
「ほら! 早く行って、早くリカコさんに釣り合うような男になりなさいよ!」

また、これだ。
もうここまでくれば、言うことを聞くしかない流れだ。

「・・・はいはい・・・」

多勢に無勢とは、まさにこのことだろう。
敵うはずがない。

俺が諦めて買い物に向おうとしたとき。

「あ! わたしも行きます!」

リカコが慌てて玄関に来た。

「・・・・・・一緒に、いさせてください・・・」

・・・・・・・・全く。
完敗だよ、うちの女どもには。


207β 挑戦50題「多勢に無勢」

弥生の頃に

この 陰鬱な世界の中、 あなただけが 私の光でした

あなただけが 私のすべてでした―――



「福森。福森美春。・・・・・・なんだ、また遅刻か?」

教室にあきれ返ったような空気が広がる。
ここは進学校で、無断遅刻や無断欠席などめったにない。
それなのにこう何度もそれを繰り返す彼女は、異質だった。

案の定、彼女の遅刻理由を代弁する者もいない。
・・・彼女は、いつも独りだ。

「・・・福森美春、遅刻」

先生が次の名前を呼ぶ。

・・・福森美春。
彼女は変わった。
昔はその成績にふさわしい優等生だった。
クラスの人気者、とまではいかないが、普通に友達もいたし、話しかけることは少ないが、話しかければ話ベタではない人だった。

彼女は4年前の3月を境に、変わってしまった。
俺は知っている。
彼女の変化の理由を。

彼女は、大切なものをなくしたのだ。



「福森さん?」

下校途中、結局その日欠席した彼女を見つけて、俺はつい声をかけてしまっていた。

「・・・何?」
「な、何って・・・、学校、休んだでしょう」
「それがどうかした?」
「・・・・・・いや、何でもない」

彼女の答えは素気無い。
そんな「何バカなことを言ってるの?」と言うような目で見つめられたら、何も返せないじゃないか。

「・・・・・・・・・・・だから、何か用なの?」

彼女が聞いた。
それもそうだろう。
俺は無言のまま彼女の傍で3分は突っ立っていた。
むしろ、その間何も聞いてこなかったことがすごい。

「いや、何も」
「じゃあ、さっさと帰りなさいよ」
「いいじゃない、別に。俺のことなんて放っとけば」
「・・・・・・・・・・・」

彼女がムッとしたのがわかった。
表情の少ない彼女だから、偶にみせる感情が楽しい。

それから彼女は、驚くべきことに1時間、俺を放っておいた。
陽が傾いてきて、やっと我慢も限界になったのか、彼女は言った。

「・・・なぜ帰らないの」
「なんとなく」

そう。なんとなく。
何となく、彼女を独りにしておきたくなかった。
俺は、ここが、彼女の想い出の場所だと、知っている。
彼女はだから、一人でいたいだろう。
でも、そうしたくなかった。

「・・・・・・桜、もうすぐ咲くね」
「・・・・・・・・・・・・」

この桜の根元。
この場所で。

彼女の大切な人は、命を失った。

この、弥生の季節に。

「・・・・・・ええ。毎年飽きもせず・・・、桜は咲き続ける」

私の大切な、あの人は、死んでしまって、もう還らないのに。

そんな言葉が聞こえた気がした。

「きっと、花びらが綺麗に降るね」
「・・・・・・・・」
「この土の上に、綺麗に。空の贈り物のように」
「・・・随分、ロマンに満ちた言い方ね」
「感傷的になってるんじゃないかな。冬と春の境目だから」
「・・・・・・そうかもね。3月だから・・・」

弥生は繰り返される。
それでも、二度と還らないものもある。

でも、新たに得ていくものもあるのだと、俺は彼女に、おしえてあげたいんだ。


207β 挑戦50題「16 弥生の頃に」
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